「ゴッホ」は世界的に人気のある画家であり、日本でも高い知名度を誇ります。
たくさんの作品を残していますが、特に有名なのは「ひまわり」!
花瓶に生けたヒマワリの鮮烈で繊細なカラーは、一度目にしたら忘れることはできないでしょう。
私たちがよく知る「ひまわり」は、損保ジャパン東郷青児美術館に飾られていますが、
それ以外にも「ひまわり」が存在するのはご存知ですか?
「ひまわり」は、7点制作されたと記録されており、
そのうち2番目に制作されたものは「芦屋のひまわり」と呼ばれていました。
なぜ、芦屋のひまわりと呼ばれるようになったのか、その歴史を見てみましょう。
2番目の「ひまわり」が誕生したのは、1888年頃といわれています。
よく知られている「ひまわり」と違って、背景はロイヤルブルーで塗られており、より存在感を感じる仕上がりです。
1919年に実業家の山本氏が、7万フランで購入したことで日本にやってきたとのこと。
当時の価格で2億円と高額ですが、美術館の設立を目指す武者小路実篤の支援のため購入したと記録されています。
ですが、残念ながら美術館は設立は実現できず、
芦屋にある山本氏の自宅で保管されていたことから、「芦屋のひまわり」の名が付きました。
その後、芦屋大空襲の際、壁に固定されていたため持ち出すことができず、消失してしまったのです。
本物を目にすること二度とできなくなってしまいましたが、現在は陶板画として蘇り大塚国際美術館に展示されています。
除幕式には山本氏のお孫さんも出席し、
「祖父が知ったら、この上なく感謝したに違いない」
と喜ばれたのだとか。
夢のバトンを多くの人がつなぎ、大きく花開いたこと、なんだか心が温まりますね。
「芦屋のひまわり」がよく知られているのは、2015年に公開された「名探偵コナン 業火の向日葵」の影響も大きいのではないかと思われます。
劇中では、「ひまわり」を7枚の集め、”ひまわり展”を開催するという構想がでてきますが、実は前述の大塚国際美術館ですでに実現しており、現在も常設展示中です。
徳島県を訪れる際には、足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
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